[iOS 7] O2O業界の新たな風!? iBeaconとは
iOS 7が公開されてから、iBeacon注目されていますね。既に各方面でも書かれていますが、iBeaconがどんな技術で、どのように利用できるのかを書かせていただきます。
iBeaconって何?
iBeaconは、Bluetooth4.0の1種で、ボタン電池1つで1年以上稼働する、省電力を強化したバージョンになります。Bluetooth low energy(BLE)と呼ばれることが多いです。Bluetoothと聞くと、多くのスマートフォンユーザーは電池を消費する悪名高いものでしたが、BLEは、非常に少ない電力で駆動することが特徴で、最近ではカシオのG-SHOCKにもBLEが採用されました。また転送範囲も広く理論値で50m、推奨値で10mという事です。
NFCとの違いは?
同じ近距離無線通信規格として、NFCがあります。まず大きく違うのがiBeaconは50mの範囲でしたが、NFCは理論値だとだいたい20cmです、実際Suicaとかだと数cmです。またイベントの発生も違います。NFCでは必ずユーザーがアクションを起こしてから、イベントが発生しますが、iBeaconでは近くを通るとイベントが発生し情報が提供されてきます。
今までに無かった?
Bluetoothではないですが、O2Oの業界では超音波を利用して、以下のBeaconを使用したイメージの様な事は、既に実現できています。
有名なサービスとしては、ドコモが展開しているショッぷらっとです。店舗に立ち寄るとクーポンが配布されるサービスで、まさに上記のイメージビデオと同じことをやっています。その他スマポも超音波を利用したクーポン配布などをやっています。
OS標準という強み
技術を採用する上で、何よりも強いのがOS標準です。サードパーティの方が質が良いものも多々ありますが、OS側が変更した途端使えなくなるリスクもあります。OS標準ならば、基本そういった心配はありません。また、BLEはiOS 7だけではなく、Androidの4.3からも利用できます。これにより、両端末での対応も可能かもしれません(要調査)。細かいことはiBeaconの情報が開示されてからになります。
どんな利用シーンがありそうか?
iBeaconの利用シーンは色々考えられます。ここからは、私の完全な妄想です!ランチからプロポーズまで色々考えてみました。
ランチクーポン
お昼時、サラリーマンやOLがランチに悩んでいる姿よく見かけますよね。店の前を通るだけでランチクーポンを入手することも可能です。「あら、このクーポンお得!!」、「今日だけの特別クーポンか~じゃあここにしよう!」ランチの悩みも減るでしょう!そうiBeaconならね!
コンサートの入場
コンサート入場までの長蛇の列、もぎりの人がチケットを1枚1枚確認しています。その隣にはETCの様なiBeacon専用入場口。並ぶことなくスイスイと入場していきます!そうiBeaconならね!
自販機でボタンを押すだけ
自販機から「コーラ冷えてますよ!」そんな声が聞こえてきました。アプリに登録している属性、今までの購入履歴、そして今日の気温など統計をとってリアルタイムにユーザーが飲みたいものを判断。ポケットから財布やスマホを出さなくてもボタンを押せばジュースが買える!そうiBeaconならね!
プロポーズのメッセージ
美味しいイタリアン、ロマンチックな夜景。さて、いよいよプロポーズです。でもシャイなあなたは、なかなか言い出せない。無言のまま歩いているとスマホに通知が。。。彼女が見てみると「結婚しよう」というメッセージ。シャイなあなたにぴったりなプロポーズ!そうiBeaconならね!いや、これは無いですね。。。。プロポーズは自分の口でしっかり言いましょう!
スパム的な怖さ
iBeaconでは、Bluetoothを起動していれば、勝手にスマホに情報が入ってくることも可能です。スパムの様にクーポンが飛んできて、結果的にBluetoothを切っちゃうなんて本末転倒ですよね。充電持ちが悪かったBluetoothを省電力のBLEにしてせっかく評判を上げて行こうと思っているのに、iBeaconの利用が増えていくことでスパム的な情報が多くなって、またBluetoothの評判が下がるなんてことも想像できます。良質なコンテンツ提供がiBeaconのカギになるのではないでしょうか。
まとめ
iBeaconの課題として、ほとんどのユーザーが通常に起動していないBluetoothを起動させることから始める必要があるという事です。まずは魅力的なコンテンツがそろい、実際に使ってみてから省電力が認知されるのではないでしょうか。ベンチマークでいくら省電力ですと言っても過去のBluetoothの充電持ちの悪さを体験している人にとっては、数値だけでは信用できません。そのためにはiBeaconを利用を早々に進め、魅力あるコンテンツをユーザーに提供していくことが大切です。すでに、頓智ドット株式会社が運営する位置情報ソーシャルサービス『tab』では、iBeaconを利用して「あしあと」機能がリリースされました。iBeaconを盛り上げるには、我々開発者がiBeaconで何ができるのかをアウトプットし、情報を共有していくことがiBeacon、BLEの発展の第1歩なのだと思います。
参考
http://gigazine.net/news/20130911-ibeacon/
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130919/prl13091916090110-n1.htm